意外と知らない? がんを理解するための8つのキーワード

健康コラム

「がん」に関する言葉といえば、何をイメージしますか? 抗がん剤、転移、緩和ケア……いろいろあります。では、「その言葉を説明してください」と言われたら、きちんと説明できるでしょうか。今回は、なんとなく知っているつもりの言葉を、きちんと理解するために 8つのキーワードに焦点を絞って紹介いたします。

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キーワード1 手術

がんを切除すること。手術だけではがんを取りきれていない可能性がある場合は、放射線治療や抗がん剤治療、ホルモン治療などを組み合わせて治療をすることも。手術にもいろいろあり、乳がんの手術でいうと、がんの大きさや広がりによって、乳房を全部取ってしまうケースと、部分的に取るケースがあります。

手術自体の時間は数時間で済んだり、数日の入院で済んだりするので、それほど負担と思われないかもしれませんが、術後、さまざまな不調が起きるケースもあります。乳がんの手術のあと、腕が上がりにくくなる、むくんだりする。大腸の場合は手術した場所によって異なりますが、排便や排尿の障害が長い間残ることも。

キーワード2 抗がん剤治療

 薬の力でがん細胞の増殖を抑えて死滅させる方法です。手術前に行って、がん細胞を小さくして手術をスムーズにする。手術後に行って、がんの再発を防止する。といった目的で行われます。

ただ、副作用があるのは有名な話だと思います。抗がん剤は、がん細胞だけでなく、正常な細胞にもダメージを与えるからです。副作用は薬の種類によって異なりますが、吐き気、口内炎、脱毛、発熱、だるさ、手足のしびれ、脱毛、発疹などがあります。免疫力が低下して、細菌に感染しやすくなることも。そのため、生活や仕事に支障が出やすいのです。

現在、抗がん剤は100種類くらいありますが、抗がん剤は全身にがんが散らばっていることを想定した「全身療法」のために用いられる特徴があります。そのため、手術が有効でないがん(白血病や悪性リンパ腫など)に対しては効果が期待できる治療法といえます。ただ、副作用がカラダとココロの大きな負担になることは否定できません。抗がん剤には、メリット・デメリットがあることを覚えておきましょう。

キーワード3 ホルモン治療

ホルモンを抑える薬を飲むことで、がんが再発しにくいカラダの状態にします。ただ、ほてる、ひどく汗をかく、ふらふらするなどの不調に繋がることがあります。更年期障害の方に対してもホルモン補充療法を行うことがありますが、有効性が高い一方で副作用が心配されています。

キーワード4 放射線治療

がん細胞を死滅させるために、がんに放射線を当てます。おもに、手術後に再発予防のために行います。放射線を当てる治療自体は、数分で終わることが多いですが、通院で治療が5~6週間かかることも。継続して行うことで、カラダだけでなく経済的な負担に繋がります。

皮膚が火傷のような状態になったり、色素沈着を起こしたりするほか、ほかの臓器にも放射線が当たることで炎症が起きることも。

キーワード5 再発

がん細胞の塊を腫瘍と呼び、細胞には親子関係のようなものがあります。親にあたる細胞(幹細胞)は、新しい腫瘍を作る能力があります。そのため、幹細胞を残したままだと、新しい腫瘍を作ってしまうのです。

そのため、目に見えない小さながん細胞が手術で取りきれないと、再びがんとなって現れることに……。つまり、再発は新たにがん細胞が生まれることではないのです。

キーワード6 転移

がん細胞が、血液やリンパ液の流れに乗って別の場所に移動し増えること。大腸がんが肺に転移した場合、大腸がんと同じ性質を持っているとみなされ、肺がんではなく大腸がんの治療を行うのが一般的です。

「早期発見、早期治療すればがんは治る病気である」といわれるようになりました。というのも、早期(限局)がんの5年生存率が、肺がんの78.2%を除いてほぼ90%以上だからです。(※1) でも、癌は5mm以上の大きさでないと画像診断で見つけられないとされています。しかも、最近では0.1mmでも転移の可能性があるといわれるようになりました。そのため、かなり早期に見つかっても進行癌(転移している可能性がある癌)になっているかもしれない……ということです。

キーワード7 緩和ケア

緩和ケアとは、よりよく生きるために、ココロとカラダの苦痛を取ることを目的に行われる医療のことです。緩和ケアと聞くと、治療の術がないときに行うもの、死を待つ間の苦痛を取り除くものというイメージをもっている人がいるかもしれませんが、違います。自分らしく生きるための、毎日をいきいきと過ごすためのケアです

キーワード8 ターミナルケア

ターミナルケアは、がんが進行し死に至ることが予想される終末期に行われる医療や看護のことをいいます。延命措置というよりは、QOL(生活の質)を保つための緩和ケアや精神的なケアを大切にしています。行われるのは、病院だけではありません。ホスピスや介護施設、自宅(訪問診療)などでも行われます。

いろんな角度から「がん」を理解しよう

日本人の死亡原因ナンバー1はがんです。2014年、がんによる年間死亡者数は約37万人でした。(※2) がんにかかる割合は、男性が63%で女性が47%。(※3) 自分や大切な人ががんになるのは衝撃的なことだと思いますが、目を逸らすことができない問題です。食暮では、さまざまな角度からがんについて考えています。ぜひ、食暮の「がん特集」記事もご覧いただけたらと思います。

世の中、いろんな情報で溢れていますが、数ある情報から正しいものを選ぶ目を養うためにも、ご自身による理解を深める努力も大切です。少しでもそのお役に立てたら幸いです。

参考文献

Webサイト「病と生きる人々」
・セブン&アイ出版『「がん」になるってどんなこと?
※1 国立がん研究センター、がん対策情報センター「全国がん罹患モニタリング集計 2006-2008年 生存率報告」
※2 厚生労働省「人口動態統計」2014年、国立がんセンターがん情報サービス「がん登録4・統計」2014年
※3 国立がん研究センター、がん情報サービス「がん登録・統計」2012年

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南條 祐弥

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薬膳コーディネーター、食生活アドバイザー。 食や健康に関する知識を活かし、フリーランスライターとしてWebサイトから書籍まで多岐に渡る媒体で執筆に励む。企画...

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